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読書感想文 女王はかえらない

女王はかえらないを読んだ。

 

 

読んだのはこれも結構前。4月ぐらいかな。作者の降田天は、鮎川颯と萩野瑛の二人からなるユニットである。このミス大賞ということもあって手に取った次第である。以下ネタバレ兼感想。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タイトルが二重オチになってるということでいいのかな?単純に帰らない、と孵らない。孵る前から女王というのもまた皮肉っぽいんだけれど。全体で三部構成になっていて、一部が小学生目線、二部が学校の先生目線、三部が真相パートになる。まあこの手のミステリーは、ミステリー慣れしていない人や何も考えずに読んでいった人なら簡単に騙される、お手軽な形式になっていることが多い。この作品も例に漏れず該当している。まあ一部と二部がつながっているようで実はつながっていない、名前トリックは、ミステリーの常套手段でもあるので、少し考えればあっさり見抜けたのではないだろうか。オッサンが女、メグが男であることもわりと序盤で確信を得てはいた。なぜならこれでもかというほど、オッサンの性別が男、メグの性別が女と確定する言葉が出てこないからだ。まあそこまでなら間違いないかな、という思考に至った。一方、メグが教室に残っているシーンでマキとキスをしていたというのは、まったくもって発想が至らなかった。結局、オッサンはそのシーンがいつまでも頭の中に焼き付いているのではないだろうか、と勝手に思っていたりする。何にしても、小学校という子ども時代における閉鎖社会の生々しい現実感を上手に表現できている作品だと思った。無邪気で無知というのは、残酷なことが平気で出来るという現実を改めて突きつけられたような想いがした。というか、実際、現実にそういう子ども時代をすごして、今なお秘密を隠し持っている大人の方々がいるのではないかと思う。これは切実に思う。ということで、深く考えずにどんでん返しを味わいたい、ミステリー慣れしていない人にはおススメです。