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読書感想文 オズの魔法使い

本を読んだよ。

 

 

これは、1月前ぐらいに読み始めたのかな。確か。童話でよく知られているあの有名なオズの魔法使い。生まれてこの方、小説でも童話でも絵本でも1ページたりとも読んだことがなかったため大人になった今更、興味を持った。興味といっても、この作品ぐらいは読んでおかなければいけない、という思いを抱いたことがきっかけである。数ある文庫会社の中で角川文庫を選んだ理由は、ただ最初に手に取ったからという理由だけである。こういった選択を回避するためには、やはり原作を手に取るほうが圧倒的に良い。なんでもそうだが、言語の壁を乗り越えることはできない。ましてやそこにたった1人の翻訳者が入ることでもしかしたらまったく違った受け取り方をしてしまっているかもしれない。もうこうなると、これはある種矛盾しているのだが、原作の本は読まないほうがいいかもしれない。といのも、やはり人間は、一概には言えないが、おおむね、最初に手に入れた情報が絶対だと思いがちな生き物だと考えている。なので最初に翻訳書をインプットし、後に原作を手に取ったとき、当人の外国語の力が秀でていればいるほど、原作のほうに否定の気持ちを持って行ってしまいがちなのではないかと思う。いやこの場合、翻訳があまりにもひどい場合はそうではないのだが、ひどくないと、それで1つのお話として完成され、それが受け手にきちんと伝わる。だが完成された時点で齟齬が、原作と発生しているので、後に原作を読んだとき、ましてや、翻訳書をよんでから時間が空いて手に取ると、その"差"を受け入れ辛くなるように思われる。なのでこの作品に関しても、相当する理由が存在しない限り、原作は読まないと思われる。いやしかし、全然内容に関係ない文だな。

著者

ライマン・フランク・ボーム - Wikipedia

翻訳者

柴田元幸 - Wikipedia

なんだろう。アドベンチャー、冒険ものの先駆けとなった作品なのだろうか。たとえば桃太郎もそれに該当しそうだが、桃太郎の場合は、桃太郎以外の仲間は、ただきび団子をもらったお返しに鬼退治に協力するといった、ギブアンドテイク、もっというと、桃太郎がきび団子を与えて従えたわけだから、主従関係として旅をしている。西遊記はどうだっただろうか。猪八戒とかは天竺になんで向かったんだ?まあ覚えてないからいいか。とにかく、各々の目的は全く別なものなのだ。その目的は、オズの町に行けば、オズがすべて叶えてくれるので、一同は足並みをそろえているが、その目的はそれぞれ違う。こういう点は、ワンピースなどが当てはまる。麦わら海賊団は全員違った目的のため、あの船に乗っている。つまり、遅くとも、最終回あたりで(以前、以降ともに有りえるが。)、皆バラバラになるわけだ。なぜなら目的を叶えたものが同じ船に乗る理由がなくなってしまうからである。このあたり、オズの魔法使いがうまく書いていると思った。もちろんこれがメインテーマというわけではないが、そして、それが当たり前のように書かれているが、自分の目的を達成してしまうことは、自然にいた、まるで当たり前すぎてそのありがたさにすら気づけなかった仲間との離別を表しており、それが如実に実感できた作品だった。淡々としているが、だからこそ心に一石を投じられた。解説を読んで知ったが、オズの魔法使いはどうやらシリーズ化されているらしい。しかもその続編で明らかになるそうだが、トトは、実は言葉を話せたが、あえて話さなかったらしい。なんてことだ。続編を書くならそれをもっとそれっぽい伏線に使ってほしかった。まあそれはまたいずれ、続編を読んだ時の話ということで。全体的にはすっきりまとまっている冒険譚だが、読むと、心の流動や、感情の揺さぶりを随所に感じる作品だった。特にブリキの所作や、涙で体が錆びてしまう描写などが地味に好きだ。あとこれを読んで、ようやく、だいらんど の一部分が本当に理解できた、といったところか。ぜひ、誰かに奨めたい一作である。