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風邪

朝起きた時から違和感があった。やけに体が疲れているし、なにか普段と違う感じが体の気怠さを加速させていた。のどが痛い。まあ風邪でも引いたか、と思いながら、朝飯を調達しつつ、風邪薬を探す。黄色い箱の、わりと有名な風邪薬を発見した。購入したのはもういつだっただろうか。使用期限は2018年末となっている。この期限を超えて服用してしまうといったいどうなってしまうのだろうか、などとくだらない疑問を抱きつつも、最後の一押しといわんばかりにコップ一杯の液体でのどに流し込んだ。それからはすぐに眠気が襲ってきた。おそらく薬の副作用であろう。すべき仕事を目の前にしつつ、うとうとと肩を揺らす。ついには横になりながら書類に目を通すといった行為に至っていた。たまに体を起こし、書類をペンで書く。視界がぼやけているのでどうしても字がミミズのようになってしまうと思っていたが、そもそも私の字はこういった形だったかとよくわからない問答が頭の中で反芻されていた。そして深い闇に包まれていった。

 

気が付くと、14時ほどであった。約束の時間は18時半だまだ間に合う時間であったが、早めに都会に出て本屋によって本を2冊購入しようと考えていた。なので、そこからは少し慌て気味で髪を整え、身だしなみを繕い、外に出た。そこからは電車で30分、都会に出て本屋を練り歩いた。何の本を買うか、1冊は既に決まっていたが、もう1冊はその場で決めようと考えていたので、これがなかなか決まらない。30分ほど、いくつかの棚を周った後に、結局古典的ミステリー本を買った。そこから待ち合わせ場所までは15分ほど歩いた。途中、車をとめて、車道を歩いている行列があったので、これは何か、と思って見ていたが、ああそういえば今日は大きな祭りがあるんだった、と思い出した。そこで、今日外に出るべきではなかったな、と後悔したがもう後の祭り。すでに周りには浴衣姿のカップルや学生たちが多くいた。喧騒を抜けて待ち合わせのビルに入ったころだろうか。それまでも確かにダルさは感じていたが、いよいよそれが吐き気に変換された。一瞬待ち合わせの場所まで行くこともためらわれたが、それでは通達も手間だし、また余計に時間を取ってもらわないとダメだなと感じ、ここは我慢した。18時半ぴったりに着いたが、前の案件だろうか、長引いて結局19時過ぎになってしまった。この時私の気分の悪さは最高潮に達していた。どうしてトイレに逃げ込もうか、とばかり考えるのだが、そういったネガティブなことを考えると、より吐き気に拍車をかけてしまうので、できるだけ息を吸い、何も考えないように努めた。その後、遅れたことをさんざん謝られたが、1時間弱のなんでもない談話が始まった。内容については触れない、というか気分が悪いことを悟られずにどのように切り抜けるか、をずっと思案していたので、ほとんど、夢のようにしか覚えていない。終わってから、

「ビルが閉まってしまったので裏口まで見送りますよ」

と言ってもらったために、素直について行った。だが不思議とそのころには吐き気は治まり、なんだか会話中に申し訳ないことをした気分になってしまった。帰宅途中、電車の中で背中に空中で花開く音を聞いた。この祭りに最後に行ったのはもういつになるだろうか。などとどうしようもないことを考えながら帰路についていた。